目次
はじめに
リキッドステーキングは、仮想通貨投資家にとって魅力的なパッシブインカム材料の一つです。
この記事では、リキッドステーキングとはなんなのか? 同時にステーキングを行う利点や欠点について詳しく解説します。
もし、仮想通貨初めての方だったら、ぜひこちらの記事からお読みください!
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ステーキングとは?
概要
リキッドステーキングを理解する前にまずステーキングを理解しないといけません。
ステーキング(Staking)とは、Proof-of-Stake(PoS)ブロックチェーンで行われるプロセスです。
ちなみにBitcoinはProof-of-Work (PoW)という全く別なブロックチェーンのタイプです。
ステーキングは、仮想通貨を預けてネットワーク上で役割を果たすことです。役割とは主にネットワークのセキュリティーを保つことです。
手順
具体的には、ステーキングは以下の手順で行われます:
- ユーザーは、所有している仮想通貨を特定のアドレスに預けます(ステークする)。
- ステークした仮想通貨は、ネットワークのセキュリティやブロック作成に貢献するために使用されます。
- ステークした仮想通貨の所有者は、ネットワークのルールに従ってブロックの検証やトランザクションの承認などのタスクを行います。
- 所有者は、ネットワークへの貢献に応じて報酬を受け取ることができます。報酬は通常、ステークした仮想通貨の量やステーキング期間に応じて与えられます。
問題点
ただし、ステーキングしている間は一定期間、資金にアクセスができません。
資金をロック後は、資産を取引したり、売買したり、転送したりすることはできません。
Cosmosのブロックチェーンのメイン通貨ATOMもPoSです。私は個人的によくATOMを使っているので、ATOMがこの記事によくでてきます。
また、多くはステーキング期間が終了する前に資金を引き出すための「クールダウン」期間が含まれています。
長いもので5週間とかあり、この間は報酬を得ることができません。ペナルティが含まれているものもまれにあります。
これらのステーキング欠点を克服するために、リキッドステーキングプロトコルが登場しました。
リキッド・ステーキングとは?
通常のステーキングとの違い
ソフトステーキングとも呼ばれます。
リキッドステーキングは、資金をロックして報酬を得るプロセスです。同時にその資金にアクセスできる仕組みです。
通常のProof of Stake(PoS)のステーキングでは、資金をプロトコルに「ロック」することにより報酬を得ます。リキッドステーキングでは、資金を預ける代わりに、別のトークンを受け取ることができます。
この別のトークンは、元々ロックされていた仮想通貨と同等の価値を持っています。さらに、自由に取引や運用できるのです。つまり、預けた資金の価値を失わずに、同時に市場での流動性を享受することができるのです。
普通のステーキングの例
例えば、CosmosのブロックチェーンでATOMという通貨があります。普通のステーキングでATOMを預けると、2023年6月現在のレートでは21%の年利がもらえます。
現に数時間に一回、ウォレットをリフレッシュをするとATOMが増えているのもわかります。
リキッドステーキングの例
しかし、CosmosにはStrideというliquid stakingプロトコルがあります。
そこでATOMを預けると、stATOMという別のトークンを受け取ることができます。
- Stride上でstATOMトークンが発行された
- ATOMはCosmosでもステーキングされながら21%の年利をもらい続けている
このstATOMを使って色々できるのがliquid stakingのすごいところです。
CosmosにはOsmosisのような分散型の取引所(DEX)があります。
そこでstATOMを半分売ってATOMに変えたとしましょう。
それを流動性プールにいれ、そこでまた報酬をもらうことも可能なのです。
他にはMars HubというAaveのようなレンディングのサイトもあります。
そこでstATOMを担保に預ける代わりに別のトークンを借りることもできます。
例えばUSDCを借りたら、そのUSDCを使ってまた別のトークンを購入することも可能です。
EthereumにもSolanaにも同じようなものがあります。Lido Financeに預けれるとstEthやstSOLをもらうことができ、それを他のエコシステムに使うことができるようになります。
実際の例
つまり今の話をまとめると、Aさんが 10ATOMを持っており、それを活用したいと考えています。
Aさんはそれをすぐに使う予定はありませんが、必要に応じてアクセスできる安全性が欲しいと思っています。
Aさんはさまざまなプラットフォームを綿密に調査した後、試してみたいプラットフォームを選択します。
それに応じて、Aさんは10 ATOMをリキッドステーキングプロトコルに入金します。
そして、ほぼ同等の価値を持つ「stATOM」を受け取りました。
Aさんが元の10 ATOMにアクセスするためには、すべてのstATOMを交換する必要があるのです。
利点
初回の預金で生成された利息を引き出すために必要な金額から差し引かれる場合もあります。
この仕組みにより、リキッドステーキングでは、預けた資金を活用しながら報酬を得ることができるのです。
これは、アンステーキングのプロセスが長い普通のステーキングとは対照的です。
アンステーキングを急いだ場合にペナルティが課せられたりする心配もないのです。
資金への迅速なアクセスは、市場の乱高下や予期しない支払いの際に役立ちます。
リキッド・ステーキングの懸念点
リキッドステーキングには多くの利点がありますが、いくつかのリスクも存在します。ただし、教育、戦略、自己認識を通じて、損失リスクを最小限に抑えることができます。
市場の状況
イールドファーミング(Yield Farming)はリスクを伴うものがあります。資金のレバレッジ化によって強制決済(リクイデーション)のリスクが増大します。デリバティブを使用する場合、トークンの流動性を裏付ける担保が必要です。
もし市場で予測不可能な急落が発生したとしましょう。資産の価値が担保要件を下回れば、強制決済のリスクがあります。
例えば、先ほどの例でstATOMを担保にUSDCを借りていたとします。その状況で急激にATOMの価格が1日で70%も落ちたとしましょう。
その場合、借りれる限度額も急に下がります。その時点でUSDCを借りすぎていたら、強制的にstATOMを売らないといけない状況が生まれます。
ハッカーは常に狙ってる
リキッドステーキングプロトコルのハッキングの懸念点も忘れてはいけません。
2023年6月現在、大きなハッキングのニュースは話題にはなっていません。しかし、人気のプロトコルには必ず大きなお金が眠っているのでハッカーは常に狙っているのです。
セキュリティがおろそかになれば、資産も危険にさらされる可能性があります。
プロトコルが安定性を保てなくなる
先ほどのstATOMの例に戻りましょう。
仮に、ATOMを担保としてリキッドステーキングし、その代わりにstATOMを受け取ったとします。
そして、何かの理由でstATOMの価格が大幅に下落した場合を考えましょう。
価値が急激に下がった場合、stATOMを売ってATOMを取りも出すのも困難です。しかし、それ以上にステーキングしたATOMも果たして無事アンステークできるのかも疑問です。
その場合、普通のステーキングをしていた方が良かったと思うかもしれません。
まとめ
リキッドステーキングは、仮想通貨業界で人気のあるパッシブインカムのスキームの1つです。
普通のステーキングと違って、資産をある期間ロックする必要がありません。なので、自由に様々なエコシステムで使えるのが良い点です。
しかし、懸念点も色々あるので気をつけましょう!
プロジェクトがハッキングされることは最悪です。発行された別の通貨の価値がステーキングした通貨を大幅に下回る可能性もあります。
リキッドステーキングを考慮する際には、リスク管理と慎重な判断が不可欠です。
懸念点に注意しつつリスクを分散し、投資を行うとあなたの資産は増えていくでしょう。