目次
はじめに
仮想通貨市場は急速に成長しています。
その理由は、多くの人が資産をデジタル化して取引や投資を行っているからです。しかし、テクノロジーが新しいがゆえに仮想通貨は従来の金融商品とは異なります。
まだ未知な部分が多いため、ハッキングや規制のリスクが伴うので注意が常に必要です。
この記事では、仮想通貨でのリスクヘッジが重要な理由と、その具体的な方法について詳しく解説していきます。
もし、仮想通貨初めての方だったら、ぜひこちらの記事からお読みください!
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仮想資産の保存場所
まず、始めに仮想通貨はどのような場所で保管されているのか、知っておく必要があります。
仮想通貨のウォレットは大きく2つに分かれます。
カストディアル
カストディアルウォレットの代表的なものは中央集権取引所ではないでしょうか?
日本ではBitFlyer、Coincheck、DMM Bitcoinなどがよく知られています。海外ではBinanceやCoinbaseが広く知られていますね
また、取引所ではなく仮想通貨を保管して利益を得るプラットフォームも存在します。代表的なものは、Nexo、BlockFi、Voyager、Celsiusなど。これらは従来の銀行に似たような存在ですね。
これらのプラットフォームに仮想通貨を預けると金利を受け取ることができるます。一方、業者はその仮想通貨を第三者に貸し出すことも可能です。
ノン・カストディアル
ノン・カストディアルウォレットの代表例はメタマスク、Phantom Wallet、Exodusなど。これらはホットウォレットであり、オンラインウォレットとも呼ばれています。
また、LedgerやTrezorのようにハードウェアを使用して仮想通貨をオフラインで保管できます。これらはコールドウォレットでありオフラインウォレットとも呼ばれています。
ちなみに私が使っているコールド・ウォレットのLedgerは下記からゲットできます。同じく人気のTresorもボタンをクリックすると飛べます!
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紙のウォレットもコールドウォレットの一種です。
ウォレットに必要な鍵はハードウェアではなく、すべて紙に書かれています。
それでは、どのようなリスクがあるのか見てみましょう!
カストディアル・ウォレットのリスク
取引所のハッキング
仮想通貨はデジタル資産であるため、ハッキングのリスクが常に存在します。取引所に資産を預けている場合、取引所自体がハッキングされる可能性があります。
2014年に発生したMt. Gox事件は、仮想通貨業界に大きな衝撃を与えた出来事です。Mt. Goxは、当時世界最大規模のビットコイン取引所であり、全世界のビットコイン取引の約70%を占めていました。
2014年2月、Mt. Goxは突如取引を停止し、その後破産を申請しました。これは、取引所のシステムがハッキングされ、ビットコインが大量に盗まれたためです。
当時のレートで約85万ビットコイン(おおよそ4億6千万ドル相当)が盗難にあいました。被害額は、昨今のビットコイン価格に換算するとさらに膨らむでしょう。
取引所にある仮想通貨は取引所のセキュリティーを信頼しなければなりません。
ネットでは「Not Your Keys, Not Your Coins」というフレーズが都度都度聞きますが、訳すと「鍵を持たなければ、コインはあなたのものではありません」という意味です。
秘密キーを第三者に管理してもらう一方、コインを失うリスクを負うんだね。。。
取引所が悪意を持つケース
取引所がわざとユーザーの資産を盗んだり、不正な取引を行ったりすることがあります。
外面がよくても内面は違う取引所やプラットフォームはあります。しかし、それを見極めるのは本当に至難の業です。最近では2022年にFTX取引所が、顧客の知らない内に顧客資金を使用していました。
その資金はサム・バンクマン・フリード氏が設立したアラメダリサーチというヘッジファンドに使われていたとされていますが、顧客にはこの情報が開示されておらず、米国の法律やFTXの利用規約に違反していました。
顧客のお金を盗むなんて、ひどいね。。。
規制により取引所がシャットダウンされる場合
仮想通貨市場はまだ新しいため、各国の規制が変更される可能性があります。
その結果、取引所がシャットダウンされたり、一時的にサービスが停止されることがあります。
例として、2017年に中国政府は仮想通貨取引所の閉鎖を命じました。2023年現在、エジプト、イラク、カタール、オマーン、モロッコ、アルジェリアは仮想通貨の取引を禁止しております。
プラットフォームが倒産のリスク
Nexoのようなプラットフォームを利用すると、資産を預けることで金利を得ることができます。これにより資産が増え続ける可能性があります。
私も以前、Nexoを使用しており、一時期は丸の内でディナーを毎日食べれるくらいの金利を受け取っていました。しかし、現在の仮想通貨市況が好ましくないためと同業のプラットフォームが倒産した理由から資産をすべて引き出しました。
最近では、Celsius、BlockFi、Voyagerの倒産が有名かなと思います。
特にBlockFiはFTXとの関係が疑われ、銀行ラン(預金引き出しの急増)が発生しました。この状況が致命的となり、資金不足により倒産に陥ってしまったのです。FTXからの支援も受けられなくなり、状況は悪化しました。
何事もそうですが、メリットばかりではないのです。リスクを十分理解したうえで、資産を預けないといけません。
ノン・カストディアル・ウォレットのリスク
Seed phraseをなくすリスク
仮想通貨ウォレットのシードフレーズは、ウォレットの復元やアクセスに必要な鍵となります。
シードフレーズを紛失すると、資産を取り戻すことができなくなるため、非常に重要なリスク要因です。
ユーザ・フレンドリーなさ
ノン・カストディアルウォレットは、通常、カストディアルウォレットよりも少し複雑で使い勝手が劣る傾向にあります。つまり、利用するには仮想通貨の基本的な知識が必要なので、初心者はなれるのが若干大変です。
リスクヘッジ
取引所の評判や過去の実績、セキュリティ対策などを確認し、リスクを最小限に抑える事はある程度可能ですが、FTXのような事件もまれにあるので、「信頼」という概念はもしかして当てはまらないのかもしれません。
例えば、CoinbaseやBinanceなどは信頼性が高いとされる取引所ですが、仮想通貨の業界はまだ新しく、あとグレーゾーンなところがあるので、「信頼性が高い」というのは人によって定義が違ってきます。
BlockFiも絶頂期には、多くの有名なインフルエンサーがBlockFiをPRしていました。しかし、誰もが倒産して資産が取り出せない状況になるとは予想していなかったでしょう。
リスクを分散しよう
資産を最小限に取引所や第三者プラットフォームに預けることがいいと思います。大部分を管理できるウォレットやコールドウォレットで保管すると被害を回避できます。ただし、シードフレーズを紛失すると資産を取り戻せなくなるので要注意です。
資産を複数の取引所やウォレットに分散させることで、リスクを軽減できます。
分散配分例
例えば、資産の25%を取引所Aに、25%を取引所Bに。残りの50%をホットウォレット(メタマスクみたいなweb3ウォレット)やコールドウォレットに保管するといった方法があります。
必ずしもこちらの配分は正しいわけではないので、参考程度にお考えてね
取引所を分ける
国内外の複数の取引所を利用することがおすすめです。
規制によって影響を受けた場合でも、他の取引所で資産管理や取引を行えます。
コールウォレットを使う
資産をオフラインで保管することで、ハッキングリスクを最小限に抑えれます。オフラインで保管されているため、インターネット経由での不正アクセスが防がれます。
シードフレーズの置き場所
シードフレーズを複数の安全な場所に分散しましょう。そうすることで紛失や盗難のリスクを低減します。
例えば、1つは自宅の金庫に、もう1つは親族の家や銀行の貸金庫に保管。異なる場所に保存しておくことが望ましいです。
シードフレーズの保管の仕方
シードフレーズを記録した紙やデバイスを防水・防火ケースに入れて保管しましょう。
そうすることで、万が一の事態に備えることができます。また、シードフレーズを暗号化して保管することで、第三者による不正なアクセスを防ぐことができます。
最新情報を把握する
この業界で資産を増やしていきたいのなら、最新のテクノロジーについて常にアンテナを張る必要があります。
例えば、マルチシグウォレット(Multi-Sig) は、暗号通貨ユーザーにとって高度なセキュリティツールの1つです。
マルチシグウォレットを使用することで、1つの秘密鍵に関連する単一の障害点リスクを排除できます。それにより、ハッカーがウォレットから資金を盗むことを困難にします。
マルチシグウォレットは、エスクロー取引にも適しています。
例えば、メルカリみたいなフリーマーケットで商品を購入することがありますよね?
購入後、即代金を支払うのではなく、商品が届いたかどうかを確認をすると思います。エスクロー取引は第三者が仲介する取引方法のことです。つまり、売主と買主が直接売買を行うのではなく、いったん第三者に代金を預けます。そして、商品が届いたことを確認した後に、代金を支払いことで取引の安全性が高まります。
マルチシグは組織的な構造での使用に非常に適しています。ビジネス上の決定を行うために2人以上の当事者が必要な場合にはさらに役立ちます。
しかし、マルチシグウォレットにも欠点があります。承認に複数必要なため、取引速度に時間がかかり高度なセキュリティ知識も必要です。一般のユーザには、もしかしたら少し大変かもしれません。
まとめ
仮想通貨市場は急成長中ですが、リスクヘッジが重要です
資産の分散、取引所・プラットフォームの選択、シードフレーズの適切な管理など、具体的なリスクヘッジの方法を実践しましょう。これにより、リスク管理された取引や投資が可能になります。しかし、リスクが完全になくなるわけではないことを理解しましょう。
また、仮想通貨は毎日新しいニュースが発表されるため、常に最新の情報を収集しましょう。より良い資産管理方法を選択するための豊富な知識を身につけることが重要です。自分自身で判断し、自分の道を歩むことが最善です。